ドクダミの花で毒を制す!自然素材で「ドクダミチンキ」を作りました

手づくり雑貨

暑くてジメジメとした日々が続くと「あぁ今年もこの季節がやってきたな」と初夏の到来を感じます。これからの季節、屋外で過ごす時間も増えてくるでしょう。そうすると必然的に蚊やアブ、ハチやムカデといった虫たちと遭遇する機会も増えます。特に我が家はすぐ裏手が山のため、これからの季節はハチやムカデに対する警戒心が強まります。田舎で暮らしていると、

「寝ている時に、布団の中でムカデに噛まれた」

「長靴を履いたら、中にムカデがいて足を噛まれた」

なんていう話をよく聞きます。

このような時はドクダミの葉っぱが特効薬となります。

生場を揉んで傷口に貼っておけばすぐに良くなる、という話は昔から言われていますよね。ドクダミは「十薬(じゅうやく)」と呼ばれるほど優れた薬草として有名です。その薬効の高さは、厚生労働省の発表する『専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト』に名を連ねるほど。(参考:無承認無許可医薬品の指導取締りについて(厚生労働省薬務局長通知

今回はこのドクダミの花を使って、チンキを作りました。

葉っぱではなく「花」の部分を選んだ理由については後ほど説明します。

「チンキ」とは生薬やハーブの成分が抽出された液体

私は以前にも何度かドクダミの葉や花を使って虫刺され薬を作った経験があります。ただ、うちではそれをチンキではなく、どくだみ酒と呼んでいました。チンキという名称は今回初めて知ったのですが、生薬やハーブの成分をエタノール(アルコール)で抽出した液体をチンキと言うようです。

ドクダミやビワの種、ヘビイチゴなどをアルコールに漬けたもの等がうちにありますが、これらはチンキだったのですね。

ドクダミチンキを作る目的は毒虫対策!

今回チンキを作る目的は、これからの季節によく遭遇する毒虫対策です。噛まれない・刺されないに越したことはありませんが、田舎で暮らしていると警戒していても噛まれてしまうことはあります。

毎回、山に生葉を取りに行くのは大変です。なので、毒虫に噛まれた時すぐに対処できるよう、チンキを作ることにしました。

ドクダミを採取する際の注意点

うちの周りは山だらけなので、少し歩けばすぐにドクダミが生えています。そのため、採取場所には困りません。もし街中など、住宅が多い地域で採取する場合は以下の点に気を付けましょう。

車通りの少ない場所で採取する

車通りの多い場所に生えているドクダミは、排気ガスで汚染されてしまっている可能性があります。できるだけ車通りの少ない場所で採取するようにしましょう。ただし、車通りの少ない場所であっても必ずしも安心できるとは限りません。場所によっては除草剤を散布しているケースもあるため、あまり人が手入れしてないような場所、できれば山や野原に出かけた際に採取できれば安心です。

犬の糞尿などがかかっていなそうな場所で採取する

住宅街で採取する場合は、犬の糞尿がかかっていそうな散歩コースも避けたいところです。野山にだって野生動物がいるじゃないか!と言われてしまえばそれまでですが・・。

人の家の庭から勝手に採取しない

田舎だとドクダミは雑草扱いですが、街のほうだと意図的にドクダミを庭に植えている方もいるようです。当然ですが、見つけたからといって勝手に採取するのは控えましょう。ドクダミは、野山で日陰となっているような、比較的湿気の多い場所に行けば簡単に見つけられると思います。

ドクダミのチンキを作るのに適した時期・部位

ドクダミのチンキを作るのに適した時期は、ちょうどムカデが出やすくなる5月頃だと言われています。脅威と同時に、その対抗手段も必要な時に用意してくれているなんて「自然はよくできているなぁ」と感慨深くなります。

なぜこの時期がよいと言われているのかについて説明します。

実は、ドクダミは部位によって含まれる成分が異なり、また時期によって成分の含有量が変化するという研究結果が出ています。(参考:ドクダミ茶の採取時期における無機構成成分

この論文によると、ドクダミの主な成分はK(カリウム)で、他にはCa(カルシウム)、Mg(マグネシウム)、Zn(亜鉛)、Mn(マンガン)、Cu(銅)などの成分が含まれているようです。さらに、ドクダミは葉と花の部分で含まれる主な成分が異なることが発表されています。

また、花が咲く時期とそうでない時期とでは葉に含まれる成分も変化するようです。今回私が着目した点は、花部には葉にほとんど含まれないCu(銅)成分が多く含まれているという点でした。

Cu(銅)には殺菌・消毒作用があるとされています。チンキの使用目的が虫刺され対策なので、葉ではなく花の部分を使用することに決めたのです。ムカデの活動が活発になる時期に花が咲くだなんて、自然のシステムは本当によくできているなぁ…。

余談ですが、花のように見える白い部分は実は花ではなく「」と呼ばれるものらしいです。総ほうの真ん中にある、小さな猫じゃらしのような部分が花なのだとか。

ドクダミを使ったチンキの作り方

ドクダミのチンキを作る大まかな手順としては、

  1. 採取したドクダミをビンに入れる
  2. ドクダミの入ったビンにアルコールを入れる
  3. エキスが抽出されるまで放置する

だけです。簡単ですね。

採取したドクダミをビンに入れる

まずは採取してきたドクダミを洗って日陰で乾かします。このとき、しっかりと水分を取り除きましょう。水分が残っていると、後ほどアルコールに漬けた際に、水分でアルコールが薄くなってしまいます。アルコール濃度が低いと腐りやすくなってしまうので注意します。

同じ理由で、採取したドクダミからは茎の部分を除去します。茎の部分には薬効成分があまり含まれておらず、代わりに水分の比率が高いです。アルコールに漬けた際に水分の比率が上がってしまうため、茎の部分は使用しないことが一般的です。

ちなみに私は面倒なので、洗わずにそのまま使用しました。

ドクダミの入ったビンにアルコールを入れる

アルコールはできるだけ度数の高いものを使用しましょう。私は35度のホワイトリカーを使用しました。とは言えスピリタスのような純度の高いアルコールである必要はなく、35~40度のもので十分です。25度のホワイトリカーでも抽出できるようですが、あまり長期保存には向かないようです。

エキスが抽出されるまで放置する

ビンにドクダミとアルコールを入れたら、あとは放置するだけです。毎日軽く揺すってあげながら、エキスが抽出されるのを気長に待ちましょう。35度以上のアルコールで作ったものであれば、1年以上経った後でも利用できます。

見た目の変化も楽しめるドクダミチンキ

エキスが抽出されるにつれて、チンキの色は変化していきます。今は鮮やかな綺麗な白色も、エキスが抜けるにつれてだんだんと茶色く変化していきます。

ビン詰めから2日後の様子がこちら。

ただ花瓶に生けただけの花であれば、色褪せていくのを見るのは、なんだか寂しいものがあります。チンキの場合は褐色に変化する様子もポジティブな気持ちで見守っていくことができるでしょう。とっても簡単に作れる上に、ムカデだけでなく、蚊やブヨに刺されたときにも効果的です。是非皆さんも暮らしに役立つ「ドクダミチンキ」を作ってみてくださいね。

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