ナマ・イキVOICEの出演を通して考えるwakula coffeeの意義

珈琲

私は元々、「大の珈琲好き」というわけではありませんでした。

しかし、2014年頃から徐々に珈琲に魅了され、今ではwakula coffeeとして自家焙煎の珈琲豆屋を営んでいます。

このwakula coffeeが、鹿児島のTV番組ナマ・イキVOICEさんの「5月15日(土)「町のコーヒー屋さんVol.2」」という企画で取り上げられました。

ナマ・イキVOICEさん出演に至ったきっかけ

ナマ・イキVOICEさんは鹿児島の「本当に女性が見たいと思う番組を作りたい」というコンセプトで製作されているTV番組です。私自身は普段あまりTVを観ないのですが、番組内で取り上げられているお店はどれも「行ってみたい!」と思わせるものばかり。鹿児島のお洒落な女性たちが観ている番組と言うのも納得です。

そのような番組からなぜ声がかかったのかと言うと、きっかけはInstagramでした。もう長いこと更新していなかったものの、写真を気に入ってくださったとのこと。これを機にまた更新しようかな、という気持ちが湧いてきました。

そもそもwakula coffeeってなに?

wakula coffee は鹿児島県の南さつま市でひっそりと営業している珈琲豆屋です。

私自身が田舎暮らしをしながら、民泊など複数の仕事をしています。珈琲豆の販売はその中の一つなのですが、実はあまり営業に注力しておらず知名度は高くありません。なぜなら、wakula coffeeは一つ一つの工程を手作業で進めており、一般の珈琲豆屋さんほどの生産力が無いためです。

番組をご覧になった方はお分かりかもしれませんが、うちの場合は焙煎から販売に至るまでに結構な手間がかかっています。そのため、あまり大量にご注文を頂くと私自身がパンクしてしまうという問題を抱えているのです。自分やお客さんが美味しく飲める珈琲を作り続けるためにも、できる範囲で細々と営業しています。(でも新規のご注文は大歓迎です!)

とは言え、

  • すごく手間のかかっている美味しい珈琲豆
  • 大した手間はかかっていないけど美味しい珈琲豆

の2つがあったとします。

お客さんからしてみれば、売り手の手間やこだわりなんてどうでもいいですよね。重要なのは商品の品質だと思います。

仮に上の2つの珈琲豆がお店に並んでいたとしたら、どちらも同じように見えることでしょう。私だったら売り手の「手間」という要素なんて気にかけず「味」や「安全性」、「価格」といった要素を判断基準としてどちらかを選びます。その次点で「コンセプト」や「ストーリー性」でしょうか。

wakula coffeeは「味」や「安全性」の部分で満足して頂けるよう、妥協せずに美味しい珈琲作りを追求し続けています。

wakula coffeeの営業は2015年からスタートし、今ではリピートして購入してくださる方も徐々に増えてきました。初期の頃はお客さんから厳しい意見も含めた感想を頂き、その都度、試行錯誤しながら焙煎器の改良や焙煎方法の改善を繰り返してきました。その甲斐もあって、今では毎回安定して美味しく焙煎できるようになりました。

自分にとっての自家焙煎の魅力とは

取材中、川路アナウンサーから

「珈琲(焙煎)の魅力とは何ですか?」

という質問を受けました。

私にとって珈琲や焙煎という行為は、もう何年も当たり前のように生活の一部となっていたため、普段あまり意識したことがありませんでした。しばらく黙り込んで考えた末、導き出した答えは、直接的には珈琲とは無関係と思えるような事柄でした。

珈琲焙煎はメディテーション(瞑想)のようなもの

メディテーションとか瞑想とか書くと何だか難しそうな感じがしますが、私自身はこのようなジャンルは別に詳しくもないし素人です。それでも、昔タイを訪問した際にちょっとだけ(英語とタイ語で)メディテーションについて学んだという経験があります。

語学の壁を越えられず、自己解釈の部分も大いにあるかと思います。ただ、その時に学んだメディテーションの考え方と、珈琲焙煎に共通している要素があったことに改めて気が付きました。

メディテーションは心の平穏を保つための技術

私が学んだメディテーション(瞑想)は、目を瞑り、口を閉じて床に座る。そして、ただその場にいる自分に意識を向ける、というものでした。よくあるイメージのように「心を無にしなければならない」とか、「微動だにしてはいけない」といったようにストイックな感じではありません。何か考えても良いから、もし何か頭に浮かんだら「あぁ、今、自分はこのことを考えているんだな」と認識した上でポイっとその考えを置いておくというものです。あくまでもその場にいる自分に意識を向け、思考がどこかに飛んで行ってしまっても、意識的にまた戻ってくることが大切であるということ(だと理解しました)。

この意識の持ち方は日常生活でも活かせる場面が多々あります。たとえば、

  • 人から言われた嫌なことを何度も思い出して傷付いてしまう
  • あとでやらないといけない家事や仕事のことを考えると気持ちが重くなる
  • なんとなく将来が不安

などと考えてしまうことがあるかもしれません。

実際にその事象を体験することは1度きりなのに、先のことや過去のことを思い返して何度も心にダメージを受けてしまうのは大きな損失ですよね。

メディテーションは、思考がここではないどこかへ飛んで行ってしまっても、意識的に「今この瞬間」へ引き戻すことによって心の平穏を保つための技術なのかな、と理解しています。

珈琲焙煎は「今この瞬間」を意識する時間

薪や炭を使って焙煎をしていると、湿度や風、気温など、ちょっとした要素によって、その日に焙煎する豆の仕上がり具合に影響が出てしまいます。できるだけ毎回同じ品質となるよう、焙煎する際は視覚、聴覚、嗅覚をフルに使って集中します。そうしなければ豆が焦げてしまったり、生焼けとなってしまったりするのです。この時、他のことを考えている余裕はありません。半ば強制的に「今この瞬間」に意識を向ける環境ができあがるのです。私にとって、機械ではなく手作業で焙煎することの魅力はここにあるようです。

実は、普段の生活において意識を「今この瞬間」に向けている時間というのは、あまりないように感じています。たとえば、車の運転をしている時は音楽を聴いたり、その日の予定について考えたりしていることが多いです。また、子どもと話をしている時でさえ「今日の夕食何にしようかな」などと考えていることもあります。

私の場合はじっとしている時はどうしても思考がどこかへ行ってしまいがちなので、掃除中や散歩中など、何か身体を動かす機会には積極的にメディテーションを取り入れるようにしています。中でも珈琲焙煎というのはメディテーションに最適なのだと気づくことができました。

 

黙々と焙煎する川路アナウンサーは何を思うのか・・。

wakula coffeeが目指すところ

焙煎が初めてだという川路アナウンサーでしたが、出来上がった豆はとっても綺麗な深入り豆でした。仕上がりも均一で文句なし!

この後、川路アナウンサーがドリップした珈琲を頂きました。

「コーヒーは自分でいれるより 人にいれてもらう方がうまいんだ」

私の好きな映画『かもめ食堂』で、主人公の女性が淹れた珈琲を飲む男性がこのような発言をします。

今回頂いた珈琲もまさにこの通りで、川路アナウンサーが淹れてくれた珈琲は、私が普段一人で淹れて飲む珈琲よりも美味しく感じました。

今回の番組出演を通して、改めて自分にとって珈琲とは何か?何のためにやっているのか?これからどうしていきたいのか?を考えるきっかけとなりました。

私にとっての珈琲は、「売上を伸ばして大きな利益を生むことを目指す」というよりも、「価値観を共有できる仲間と繋がるためのツール」であるという位置づけの方が大きいような気がしています。自分が美味しい、素敵だ、と感じるものを共有できるような仲間と出会うきっかけとなるよう、今後も珈琲作りを続けていきたいと思います。

これからもwakula coffeeをよろしくお願いします。

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