屋外キッチンを作ろうと思ったきっかけ
こんにちは、Kuroです。
今年の6月15日から正式な許可を得て営業している民泊。
許可を得たとは言え、ウチは飲食店の営業許可を取っているわけではないので宿泊のお客様に飲食物を提供することができません。
なので、泊っているお客さんが何か食べたければ、
- スーパーやコンビニ等で買った食べ物を持ち込む
- 外食する
- 私たちのキッチンを借りて自分で調理する
のいずれかの方法を選ぶ必要がありました。
しかし、うちはド田舎なので気軽に買い物に行くことができません。
最寄りのコンビニまでは4.2km。
車があれば7~8分で行くことができるのだけど、それまでに山を2つ超えなければならないし、夜になると辺りは真っ暗で歩道の無い山道。バスも1日数本しかありません。
今まで何人かは徒歩や自転車で出かけて行ったお客さんもいましたが、「1.」は普通のお客さんには勧められる方法ではないよなぁと感じていました。「2.」もまた然りです。
じゃあ「3.」の私たちのキッチンを借りて自分で調理するというのはどうかというと、これもあまり勝手の良い方法ではありませんでした。
なぜなら、うちにはキッチンは普段私たちが使っているものの1つしかなく、キッチンに入るには母屋の玄関を通らなければならない(お客さんの宿泊場所は別棟)というのがネックになっていました。
希望があればキッチンを開放していたとはいえ、お客さんからすれば人んちのキッチンを毎度毎度借りる感覚で遠慮もあり使いづらかっただろうと思います。
そんなこんなでお客さんが遠慮なく自由に使えるキッチンが欲しいと前々からMikaと話をしておりました。
そして今回、ようやくキッチン作りに取り掛かることができました。
まずは場所決めだ!さて、どこに作ろうか・・・
キッチンを作ると決まったは良いものの、いざ作るとなるとどんなデザインにしようか、素材は何にしようか、等と色々と悩みが出てきます。
場所の条件としては、
- お客さんの動線から大きく外れていない場所
- 私たちの普段の生活の邪魔にならない場所
- 衛生的に問題ない日当たりや風通しの良い場所
- 雨風を凌げる屋根のある場所
- 給水、排水が便利な場所
これらの条件を全て満たす場所には既にかまどが立っておりました。
きっとこのかまどを作った時にも同じように悩み、その当時一番条件の良い場所に立てたのでしょう。
これまで色んな料理を作るのに役立ってくれたカマド。
見た目は全然カッコ良くないけど、いつも大変助かっていたよ、ありがとう、そしてさようなら。
か ま ど 解 体
かまどに使われていた粘土はMikaがしっかり保管してくれていました。
おかげでまた必要になったら新しい場所に作り直すことができます。
調理台の設計
よし、場所も決まった!シンクは庭に昔から置いてあったものがあるからそれを使おう!次に必要なものは調理台だ!
この調理台を木製にするか石製にするかはかなり迷いました。水周りなので当然水に強くなければいけませんし、腐ったりカビが生えてしまっては困ります。
そうなると木製ではなく石製にしてタイルを貼った作りが良いのかな、と思えます。実際に何度も何件もホームセンターを見て回って必要なタイルやブロック、レンガの数を数えて金額を試算したりもしました。石製にするとコストはかかるけど、丈夫でカッコいいのができそうなイメージが湧いてきます。
でも、もし将来作り直したくなったり、別の場所に移設することになったら・・と考えるとブロックやコンクリを鉄筋でガチガチに固めてしまうのは得策ではないような気もします。
そう考えると木製の方が安価だし加工しやすいし壊れたら割と簡単に修理したり作り直せるし便利だよなぁと考えていた折、「あれ、そういえばキャンプ場の調理台ってほとんどコンクリ製じゃなかったっけ?」と気が付きました。
そしてMikaの「モルタルのテーブルって都会で流行ってるみたいだよ」という言葉を真に受けて、脚は木製、天板はクールなモルタル仕上げにすることに決まりました。
脚のイメージはこんな感じ。
これまで何か作るときは特に詳細な設計はしてきませんでした。
使用する木材も野地板や45mm角材といった比較的安価なものばかりだったし、他にはその辺に転がってる端材や、(薪用に)山から伐りだした木を加工して使うことが多かったので仮に失敗しても、使いまわしが利く or 別にもったいなくない という理由からその場の思い付きで頭の中で簡単に設計→加工していました。
でも今回は強度や精密さが求められます。なんてったって天板がモルタルなので相当な重さがかかるはず!そして屋外に設置するため脚が腐ったり蟻に食われて倒れてしまうと困ります。
なので、今回使用する木材は山から採ってくるのではなくホームセンターで購入しようと思います。
ではどんな木材をどのくらいの数仕入れれば良いのか。これを知るためにはしっかりと設計して必要な木材を事前に確認しておかなければなりません。
でも今まで設計なんてしたことないし、フリーで使える設計ソフトってどんなのがあるんだろう・・とネットで探していたら「SketchUp」というソフトを見つけました
このソフトを使って、初めてしっかり設計してみました。
使ってみるとあら便利!
細部まで詳細に寸法付きの3D設計図を描くことができるため、木材のカット寸法やら組み立ての順序までを視覚的に確認することができます。
どの材がいくつ必要なのか、また、何mmでカットすれば一番効率よく木材を利用できるかがPC上でわかっちゃいました。
これで無駄の無い買い物をすることができそうです。
いざ、必要な材料を買い出しだ!
買うものが決まってしまえばホームセンターでももう迷いません。
必要な木材やらセメントやらを購入!
この時点で購入した資材は次の通り。
【購入した資材】
- 1×4材(5本) 1,285円
- 2×4材(5本) 1,890円
- 塗装コンパネ12mm 1,735円(カット代140円を含む)
- 異形丸鋼 305円
- 生セメント25kg 429円
- 砂18kg×4袋 792円
- シリコン 213円
- トロ船60ℓ 1,008円
砂利を入れてコンクリ天板にした方が強度は出るのだろうけど、すべすべツルツルに仕上げたかったためセメントと砂のみのモルタル天板としました。
異形丸鋼はモルタル天板を内側から支える鉄筋の役割を果たしてもらうため購入しました。
買い物後は着々と作業が進みます。
木材はあらかじめ決めておいた寸法にカットしてペーパーで面取りし、設計図に従いせっせと組み立てていきます。
購入時にホームセンターのおじさんにカットして貰ったコンパネはモルタルを流し込む型枠になりました。
塗装コンパネって普通のコンパネよりも数百円値段が高いので、ケチって普通のコンパネにしようか悩みましたが、こちらの塗装コンパネにして正解でした。
後のモルタル天板の表面仕上がりに影響してきます。
この型枠、一見して隙間はないように見えるけれど、角はただ木材を押し当てているだけなので水が漏れていく可能性があります。
必要ないのかもしれないけど念のためシリコンで角をコーキングしていきます。
これでようやく下準備はおしまい。
久々にセメント捏ねたら筋肉痛に襲われた
次はモルタルを捏ねていきます。
買ってきたセメントと砂をトロ船に少しずつ加えていき、よく混ぜます。
水を加える前の「空練り」が不十分だと出来上がったものの強度が弱くなるそうです。
なので必死で捏ねます。
セメント25kg、砂54kg(3袋分)の合計で約80kgの物体をひたすら無言で捏ね続けます。
まだ水も入れていないというのに非常に重い!普段使わない筋肉を酷使しました。
中途半端に水が入るとセメントが固まりかけて更に重い。Mikaにもヘルプを求めます。
Mikaが以前、漆喰を捏ねるときに使っていたスクリューの羽を貸してくれました。
これをお隣さんから譲って貰ったドリルに取り付けて使ってみました。
使い心地はというと、やっぱり鍬の方が早い気がしました。
狭い範囲を丁寧に混ぜるならこのスクリューが良いのですが、広範囲で攪拌したい場合はもっと大きなスクリュー羽を使うかもしくは手作業が適していると思いました。
ただ、狭い範囲でスクリューを使用することでセメントのダマを潰すのにはとても役立ちました。今後この道具を使うのであれば、トロ船ではなくペール缶やバケツのように、あまりセメントが広範囲に広がらない容器を使った方が良さそうです。
Mikaと2人で納得いくまでモルタルを捏ね終わると、今度は捏ねたモルタルを型枠に流し込みます。というか放り込みます。
そして中の空気を抜くため、鍬の平たい部分でトントン叩いて隅々までモルタルを押し込みます。
型枠の半分くらいの高さまでモルタルを押し込んだら、鉄筋を置いてその上から更にモルタルを被せて叩きます。
少しモルタルが余るかな・・という計算でしたが、なんと擦切りまでドンピシャでした。余り無し!
最後の仕上げには2歳の息子も加わって表面を金鏝で慣らしていきます。
うーむ、なかなか見事な腕前!
表面ツルッツル!
これから最低48時間乾燥させます。
ここまでで1~3日目の作業はおしまい。
つづく。
コメント